リューバ君のバリュー


<新丸ビルから見える東京駅、周りのビルの巨大化に伴いすっかり小さくみえます>

新丸ビルに用事があったので、ついでに先頃から気になっていた、
奇跡のマンモス「リューバ展」を観てきました。
http://www.mammoth2008.jp/index.htm


このリューバ君は、西シベリアの北極圏で2007年5月、
しっぽがかける以外は殆ど無傷という奇跡的な姿で発見された
赤ちゃんマンモスなのです。
「世界初公開!」と銘打ちなぜかひっそりと丸ビルで展示されて
おります。800円の入場料で。

「奇跡のマンモス」を観ない訳には行きません。今日こそはと、
会って帰ることにしました。
丸ビル1階の一角にもうけられた会場は予想以上に小さく仮設風です。
どうも展示物はリューバ君以外期待できそうにありません。
そのリューバ君に会うための待ち時間はただいま10分とのことです。

入ってみると中は資料館のようにパネルに「像やマンモスの解説」や
「なぜマンモスは滅んだのか」「リューバ君発掘地の様子」などが展示されています。
今回の奇跡の発見では最先端技術でリューバ君のCT調査を行ったということで、
実際に全面協力した慈恵医大の教授のご挨拶などといものまで展示されています。
通路仕立てになっていて、パネルコーナーが終わり曲がると、もう前方でリューバ君
を観るために人々が列をつくっていました。
その列の通路でいきなりのネタバレが・・・。
私は思っていました。「リューバ君てどんなだろう。ちょっと楽しみ」
言ってみればそこに唯一800円のバリューがあったようなものです。

ですが、通路にはいきなりスキャンされ3GCT画像解析されたリューバ君
の姿が映し出されているのです。3Gなだけに、色々な角度で回転なんか
してます。大きな画面で完璧にリアルです。
更に、次々と画面は設置されてます。今回の調査でわかった「リューバ君の骨格」
「筋肉や内蔵組織」「リューバ君の腸」などなどががリューバ君の体が透けた
3G状態で観れるというすごい画像の連続です。

などと感心している場合ではありません。なぜこの段階でこの展示?
リューバ君に会わずしてもう既にリューバ君の裏表から中身まで
知り尽くしてしまった私です。

これは本来リューバ君を観た後に展示すべきではないでしょうか?正直、
画面のすごさより、本物を観る楽しみがそこなわれ少々がっかりしました。
会場にはすごい短い曲ながら、スターウォーズのような大いなる音楽が
繰り返し繰り返し流れています。これも800円の一部かもしれません。
結局、20分くらい並んでやっと会えたリューバ君は赤ちゃんだけに普通の子像並み
の大きさ。毛がぼうぼうというわけでもなく前足の膝にちょぼっと生えてる(残ってる?)
程度です。ビジュアルは既にすっかりなじみの状態です。大きな感動はありませんでした。
保護のため仕方ないこととはいえ、手前には青い蛍光灯のようなものが光り、その
せいでかなり観づらく、うす暗い状態で安置されていました。
リューバ君の耳はとっても小さかったです。例えるならゴリラ程度でしょうか?
これが唯一意外な発見でした。

並んでいる間、暇なのでお客さんは口々に係の人に質問してました。
「どうしてリューバって名前なの?」「この像は雄?雌?」などなど。
お姉さんは質問に答えつつ、「えー前後してるんですが、ここにリューバ君の
プロフィールがあります。」とリューバ君見学後の出口近くのパネルを指さすの
でした。

果たしてそこには書いてありました。
リューバ君雌。なのでリューバちゃんと書くべきでしたね。雄かと思ってました。
意味は、発見者イヌイットの子供にちなんでいて意味は「愛」日本語になおすと
「愛ちゃんという感じかもしれませんね」とのこと。生後6ヶ月です。
これぞ本体の前に展示すべきものだったのではないんでしょうか?謎です。

見学の最後は、永久凍土がどんどん溶け出してる昨今だからこそ、このリューバ君
の発見に至ったこと。リューバ君発見は地球温暖化への警鐘と受け止め、
私たち一人一人が温暖化防止に努めなければならないなどとの文章がそえられ、
この展示のまとめとされていたのでした。
がしかし、暖房が聞いたビルの中で、警鐘を鳴らすためのリューバちゃんに
対してなされている設備投資を思うと気持ちは複雑なのでした。

オフィスビルでの展示とのことで期待してはいけなかったのかもしれませんが、
それにしても、もうすこし展示の工夫をして欲しかったです。
さてこのリューバ君もとい、リューバちゃんの見学料、果たして高いのか安いのか。

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奇跡のマンモス「リューバ展」
〜3万7000年の時を超えて〜
2008年1月2日(水)〜2月3日(日)
丸ビル1階 マルキューブにて
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