<雨の青蓮院門跡>
<Shoren-in Temple>
2日目、この日は朝から雨でした。
On the second day in Kyoto, it had been raining since morning.
We changed our plan, and went around the city center.
街歩きの多い宇治はやめて市内のお寺を回る
ことにしました。
が、しかしホテルを出てみると結構な雨です・・・。
いきなりタクシーに乗るというやわな手段で
「青蓮院門跡」へ
First, we went to Shoren-in temple.
http://www.shorenin.com/
http://shorenin.com/english/
<静かな雰囲気のお寺です>
<Shoren-in of hushed ambiance>
ここは今回の中でもとても楽しみにしていたお寺です。
はずかしながらcasa brutusを読むまで知らなかった
お寺です。ガイドブックにも太字の赤文字とかじゃなく
ほそい黒字という地味な扱いで載ってます。
<蓮のお寺だけにオブジェも蓮です>
<There is a “lotus” kanji in the name of Shoren-in>
でも京都のすごい所はそういうひっそりとしたお寺で
ものすごい特別公開をやってるところなのでした。
高野山明王院にある赤不動、三井寺にある黄色不動と共に
日本三不動と言われている青不動が青蓮院にあります。
この青不動がこの秋、青蓮院にては初めてとなる
正に1000年の時を経ての御開帳となっているのでした。
密教の秘仏である国宝の青不動明王像は青蓮院以外の場所でも
過去3度しか開帳されていません。
Shoren-in has the Painting of the Blue Cetaka
(a blue guardian deity) that is one of particularly
well-known deities among the three major Cetakas
in Japan (Blue, Red, and Yellow).
Now, The Blue Cetaka has been specially revealed
to the public after almost 1000 years for the first time
ever in Shoren-in from Sep.18th to Dec.20th.
( The Blue Cetaka was revealed only 3 times in
not-Shoren-in temple ever.)
It’s called the ” gokaicho “( the special exposition)
in Japan.
http://shorenin.com/english/blue_setaka/
<寺院に入ると青不動様のお言葉がかかれています>
<The words from “the blue Cetaka”>
なぜ今、御開帳なのか。casa burutusによると
「不況で混迷する世。霊験あらたかなパワーをいただいてほしい」
というお寺のお慈悲なのだそうです。千年の時を超えた
大英断であると結ばれています。
Why is that “Gokaicho” now?
A residential priest said about the reason.
” Now, our world is getting into a muddle because of
the recession. We hope that “the blue Cetaka” will
bring the miracle-working power to the people. ”
こちらで青不動明王像のお姿をみることができます。
You can see “the blue Cetaka” this site.
http://www.shorenin.com/gokaicho/
まずはお寺に入ってすぐの
「華頂殿」
<Kacho-den>
http://www.shorenin.com/temple/keidai1.html
ここにもう一つ楽しみにしていた襖絵がありました。
今回、事前に青蓮院につて調べている時にHPで
この部屋に描かれた蓮の自由な襖絵に目を奪われ
ていたのでした。
<部屋に広がる蓮の世界>
<The lotus see is spreading in the room>
実際目にしてみるとシンプルで力強い線、でも自由で
楽しくて胸に迫るカッコヨさ。いきなり感激してしまい
ました。
Those lotus pictures were one of occasions I’m
looking forward to see.
“lotus pictures” which saw with my own eyes were
alive, free, and fun, and those are overwhelming cool.
帰って来て調べるまで、この襖絵の絵師は古い時代の
先人に違いないと、勝手に決めつけていたのでした。
確かに色彩もはっきりとしているし、何百年も経ている
ようには見えないのですが、若冲はじめとする寄想の系譜
の画家達の筆致に通じるものを感じそう思ったのだと思います。
果たして調べてみると現代に生きる画家の手によるものでした。
I didn’t think that this artist is the people of the
present time first. After I was back to Tokyo,
I checked about this artist.
To my surprise, artist was a present parson!
<素晴らしい木村英輝さんの襖絵の数々>
<These are excellent works by Hideki Kimura>
その人の名前は
木村英輝さんといいます。
The artist name is Hideki Kimura.
http://www.ki-yan.com/top.htmll
http://www.ki-yan.com/sakuhin.html
「ロックな絵、カッコいい絵を描くだけ」
「街に輝くポップな絵を描くだけ」
後数年で60歳という時に35年ぶりに絵筆を
とったその経歴も含めて
クールだ!!この方自体がカッコいい!!
(プロフィールを是非読んでみて下さい)
He said ” I just want to paint a picture like
a rock (rock’n’ roll) spirit and cool works.”
“I just want to paint pop arts that give off
light in the streets. ”
I felt that his existence itself is so cool.
Please check his another works on his web site!
他の作品にも目を奪われました。
同時に、時代が時代なら曾我蕭白や伊藤若冲も同じような
生き方してるんじゃないかな・・とやっぱり奇想の系譜の
画家達の姿が脳裏によぎります。時を経て京都に脈々と
引き継がれていたんだと嬉しくなりました。
HPの中には青蓮院門跡の襖絵を描くに至ったエピソードが
書いてあります。
http://www.ki-yan.com/sakuhin/g5.html
代々天皇家の方またはゆかりのある方が門主をつとめて来た
青蓮院門跡。(今現在の資料がなかったので現門主の方に
ついてはっきりしたことはわかりません、念のため)
そのお寺が岩絵の具でなく、ガッシュやネオカラーで描く事を承諾
するという懐の深さ。ここに「守る」だけでなく文化を
「作って」来た京都という街の一辺をみた気がしました。
<華頂殿からの庭の眺めも美しいです>
<The view of the garden from “Kacho-den”>
と、いきなり興奮していた私ですが、ちょっとクールダウンして、
その華頂殿の縁側から庭を座って眺めてみると、そこには
雨にぬれる何とも風情のある庭園が広がっているのでした。
この後いよいよの
御開帳、青不動とのご対面です。
<御簾の向こうには青不動様がいます>
<”the blue Cetaka” over the bamboo blind>
もちろん国宝秘仏の故、写真は撮れません。
うすくらい部屋に奉られた「青不動明王像」
そのお姿は威厳のあるオーラを放っていました。
その重みにこれはもはや絵であって絵ではない、
真の明王像なのだと素直に感じ入りました。
絵にはそのような力が潜んでいるのだと改めて思いました。
次元が全く違うのですが、絵で誰かが幸せになったり癒され
たり、感動したり、描く事のすばらしさを奇しくも青不動様に
教えていただきました。
護摩を焚いてくださるというので、手を合わせてしばらく
ご対面した後、お願いごとを書いてその場を去りました。
“The blue Cetaka” in the dim room was like a
radiating sacred aura.
I felt that this is a picture though, it’s already
not a picture. This is a real “the blue Cetaka”.
We prayed here for a while.
After that we walked around the garden.
その後、順路に従って雨のお庭を散策。
<水は澄みコイが美しかったです>
<The water was clear and the carps were beautiful. >
<雨だからカタツムリに会えました>
<We met a snail because it rained>
<庭には趣のある木が何本もあります。>
<Trees with atmosphere>
青蓮院は境内や周りを樹齢800年の楠が囲んでいます。
その壮大な姿は何かが宿っているようでした。
…and Shoren-in has some 800 years old
camphor trees. Those were as if some kind of spirits live in it.
<樹齢800年の楠は荘厳です>
<Camphor tree>
<楠越しに宸殿を見ます>
<the view of “Shin-den” through camphor tree>
雨のために断念しましたが、12月4日まで夜間ライトアップを
しているそうです。足を運べる方は是非行ってみて下さい。
その後、隣にある知恩院へ。
After that we moved Chion-in next to Shoren-in temple.
http://www.chion-in.or.jp/sansaku/teien.html#a
<雨にぬれる知恩院の石段も風情があります>
<Stone stairway of Chion-in getting wet
make a more attractive atmosphere.>
<何もかも大きな作りの知恩院です>
<Chion-in is big structure everything >
これまた広い敷地です。しかも行ってみるとかなり大規模な
修復工事中です。このお寺には七不思議説があり、それを
チェックしてみようかとも思っていたのですが、工事のため
五不思議くらいが封印されてました。
Truthfully, we’d like to check about seven wonders
of Chion-in. However, conservation and restoration
have started most constructs in Chion-in.
And so we couldn’t see many wonders almost.
There is a beautiful Japanese garden Though,
The rain got heavier, so we abandoned to walk
around the garden.
http://www.chion-in.or.jp/7hushigi/index.html
さらに強まる雨脚でこちらのテンションも下がり気味・・。
いや、工事のためかお寺のテンションも明らかに低い感じ・・。
御影堂に入りお参りし、七不思議の一つ鶯張りの廊下を
歩き(たぶんこれ?という感じ)敷地内を歩くのは断念し
ました。
We went to “Kennin-ji” by taxi.
次の目的地は建仁寺ですが、ここでまたタクシー移動です。
「建仁寺」
<Kennin-ji>
http://www.kenninji.jp/index.php
http://www.kenninji.jp/english/index.html
<全てが美しい建仁寺>
<Everything is so beautiful at Kennin-ji >
建仁寺には俵屋宗達作の風神雷神のレプリカが飾られています。
(本物は京都国立博物館にて保管されています)
<デジタルプリントの「風神雷神」>
<”the wind and thunder got” of reprica>
もちろん元はこちらに飾られていたものです。
以前、工房の友人が「お庭がきれいでよいお寺だったよ」と
おすすめしてくれたので候補にいれました。
We can see the replica of “Fujin and Raijin ”
(The wind and Thunder Gods) Sotatsu Tawaraya painted.
(The real thing are stored at Kyoto National Museum)
http://www.kenninji.jp/gallery/index.html
入ってみると、デジタルプリント版、ミニチュア版、屏風版と
様々なレプリカが飾られている念の入り用で、複製でもがっかり
させないおもてなしぶりが感じられます。
<美しい枯山水の庭>
<the beautiful “karesansui” garden >
風神雷神を抜きにしてもここが枯山水の庭がある素敵な
お寺である事が少し歩くとわかります。なんともいえない
良い雰囲気のお寺です。
Regardless of “the wind and thunder gods”,
Kennin-ji has a wonderful Japanese rock garden
(“karesansui”—- dry garden style).
**A Japanese rock garden or zen garden (Karesansui)
is a kind of Japanese style garden. It expresses the
nature with a rocks and sands.**
http://commons.wikimedia.org/wiki/Japanese_rock_garden
枯山水のある庭は片側から眺めると風神雷神の屏風を枯山水の
庭越しに見られるという作りになっています。
We can see “the wind and thunder gods ” through the
karesansui garden.
<さらに順路に従って進むと方丈からまた別の庭を
望む事ができます。>
<The view of another garden from Houjou>
<○△□乃庭>
<○△□garden>
ここで一度庭に出て秀吉の茶室、東陽坊に行くルートがあるの
ですが、この時点で雨脚がさらに強まりもう大雨状態です。
お寺のサンダルで行ける状況でもなく、ここはあきらめ
法堂へと進みます。
ここには2002年に創建800年を記念して小泉淳作画伯が描いた
天上画「双龍図」があります。平成に描かれた竜頭は迫力満天で
まさににらみを利かせて平成の世を守ってくれているようでした。
よい絵でしみじみとしばし眺めてました。
After that, we saw “double-headed dragon”drawn
on the ceiling at Hatto.
(You can see that at the gallery of HP.)
もう一度枯山水の庭を眺めようともどってきたあたりから
いよいよどしゃぶりに・・・。ザーッ・・廊下では雨漏りです。
<雨が漏る程の大雨に>
<It is pouring at last.>
もはや移動は不可能と寺内にいる人たちもみな足を止めて
庭を眺めてお休みです。
我々もしばしここで「枯山水」ならぬ「濡れ山水」を
眺めて休む事にしました。建仁寺でよかったです。
京都は雨でもまた別な風情をみせてくれるので、こういう出来事も
また楽しめます。小一時間はいたでしょうか。
It’s impossible to move for a while because of
pouring. We had been sitting while gazing at
the “karesansui” ( dry garden style ) for
maybe an hours.
(No, That garden should be called “wet garden
style” already.)
<襖絵のうさぎもあきらめ顔です>
<The rabbit on Fusuma lay with a look of half-surrender.>
この時点で寺院巡りは断念することにし、
相国寺に移動しました。
We moved to “Shokoku-ji” by taxi.
http://tencoo.fc2web.com/jinja/xshokoku.htm
そして承天閣美術館にて開催中の
「心と技の響宴
105歳 山口安次郎作 能装束展」
を観ました。
And we saw “the exhibition Noh costume
made by Yasujiro Yamaguchi “.
He is 105 years old already though, he
continues to weave Noh costume!
これも楽しみにしていた展覧会の一つです。
43歳の時より金剛流能衣装を復元に着手され、以来超絶技巧とも
よべる素晴らしい能装束を105歳になる今も織り続けている
というすごい方です。全て植物染料で染め上げているという
その豪華絢爛な能装束の美しさにため息がでます。
こちらにインタビューが載っています。
http://i-sys.info/serial/interview/11/interview11.html
こちらで山口さんの織るお姿も拝見できます。
And, you can watch him who is weaving Noh costumes .
http://www.youtube.com/watch?v=smQOQUdsipw
<相国寺もまた美しい庭をもっていたのでした>
<Shokokuji also has beautiful gardens.>
それから相国寺内を拝観し法堂で平安時代からの龍の天上画
鳴き龍の声を手を叩いて聞きました。作務衣を来たお寺の方が
解説して下さるので背景がよくわかってありがたかったです。
After that, we looked around Shokoku-ji.
And we saw “the Roaring dragon” drawn
on the ceiling painted by Mitsunobu Kano in 1605.
http://www.shokoku-ji.or.jp/shokokuji/guide/hatto_banryuzu.html
その後は細見美術館へ移動しました。
Then we moved Hosomi museum, so we gave up
to go temples because it rains.
http://www.emuseum.or.jp/index.html
http://www.emuseum.or.jp/eng/index.html
ここでは江戸淋派の一人、鈴木其一の展覧会が開催されてます。
We saw the exhibition titled
“Kiitsu Suzuki virtuoso of Edo Rinpa”.
http://www.emuseum.or.jp/exhibition/index.html
<about Kiitsu Suzuki and Edo Rinpa>
http://www.emuseum.or.jp/eng/exhibition_eng/index.html
通常なら再びテンションが上がっていいなずなのですが、
ここで私の電池が切れました。予想外の雨にタクシー移動の
連続で食事をしそびれ朝食べたきり何も食べてなかったのでした。
時、既に夕刻。細見美術館の壁はライ麦パンのような色をして
います。凝った作りの良い感じの壁です。そしてハニーブレッド
のような何ともいいにおいを放っていました。
たっ・・食べたい・・・。絵ではなく壁を見つめていました。
壁を食べたいと思ったのは生まれて初めてです。
His works were great.
However, my battery have run out at last.
I had not eaten anything since breakfast
because we were moving by taxi all day,
so we missed the timing to have a lunch.
Now, evening comes already.
The wall of Hosomi museum had the color
like a rye bread, and smelled like a
honey bread.
I thought that I want to eat…..
I gazed at the museum wall when I realized .
This is my first experience I want to eat the wall
of course!
I just couldn’t focus in front of great art works.
And we left the museum before I’ve bitten the wall.
全ての展示室に充満する甘い香りに意識がそがれ、増す空腹、
下がる血糖値。其一の居並ぶ作品を前にして全く集中でき
ませんでした・・・。そうは言ってもミュージアムショップが
魅力的で少し買い物をし、壁をかじる前に美術館をでました。
外はまだ雨。
一日タクシー移動の日でした。
Today, It has been raining all day.